○有田川町消防本部警防規程
平成19年10月15日
消防本部訓令第6号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 通信運用(第3条―第8条)
第3章 消防隊等の編成、出動(第9条―第16条)
第4章 現場要務(第17条―第48条)
第1節 災害活動の一般的事項(第17条―第29条)
第2節 火災防ぎょ(第30条―第40条)
第3節 救急活動(第41条)
第4節 救助活動(第42条―第45条)
第5節 水防活動(第46条)
第6節 震災等、その他の災害活動(第47条・第48条)
第5章 災害報告(第49条・第50条)
第6章 警防調査(第51条・第52条)
第7章 訓練(第53条・第54条)
第8章 非常召集(第55条―第57条)
第9章 非常警備(第58条・第59条)
第10章 その他の警防業務(第60条・第61条)
第1章 総則
(目的)
第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)に基づき有田川町消防本部の人員、機材、通信網の機能を活用し、火災その他の災害(以下「災害」という。)を鎮圧し、防除するために必要な事項を定めることを目的とする。
(1) 災害活動
災害に際しての警戒、排除、鎮圧及び人命救助等のために行う消防機関の活動の総称をいう。
(2) 救助活動
救助活動に関する基準(昭和62年9月消防庁告示第3号)に規定する救助活動をいう。
(3) 救急活動
救急業務運用規程(平成18年1月1日消防本部訓令第11号)に規定する救急活動をいう。
(4) 水防活動
風水害等による被害を最小限に止どめるため緊急に行う活動をいう。
(5) 非常警備
台風、地震等により大規模な災害若しくは事故(以下「非常災害」という。)が発生し、又は発生のおそれがある場合において管内全ての地区においてとる警備の態勢をいう。
(6) 指令室
災害活動を必要とする通報の受信、指令及び無線通信業務を行うため本部に設けられた施設をいう。
(7) 出動隊
災害現場に出動した消防車両及び人員をいう。
第2章 通信運用
(指令室の任務)
第3条 指令室は、通報を受信し災害を覚知したときは、災害種別、発生場所、対象物名、災害の状況その他必要な情報を聴取、掌握するとともに、その災害活動等に関する必要な指令、無線通信の管理統制及び情報の収集・伝達等を実施することにより、消防隊等の統制的運用を図り、災害活動等の効果をあげるものとする。
2 指令室勤務員は、消防通信施設の機能に精通せしめ、冷静な判断と迅速確実に事務を処理するとともに、次の事項を遵守しなければならない。
(1) 通報専用電話の受信を最優先に応答し、また、連続して受信したときは、迅速な処理をしなければならない。
(2) 通信内容を自己判断により注釈を加え、又は独断で処理をしてはならない。
(3) 毎日交替時に通信施設等の点検を行い、異常を認めたときは直ちに上司へ報告しなければならない。
(4) みだりに場所を離れることなく、関係のあるもの以外は指令室に立ち入らせてはならない。
3 指令室勤務員は、災害を覚知し、災害活動等を実施する必要があると認めるときは、別に定める出動計画に応じ、次の区分により、有線(専用回線含む。)又は無線により消防隊等の出動を指令するものとする。
(1) 口頭予告指令
災害通報の受信中である旨を予告する。
(2) 予告指令
次号に定める出動指令に先立ち、当該指令により出動することが予測される署に対して出動の予告を指令する。ただし、災害種別、発生場所等状況により通知されない場合がある。
(3) 出動指令
消防隊等を災害現場へ出動させるため、出動区分、災害種別、発生場所、対象物名、災害の状況、その他必要な事項を指令する。ただし、災害種別等状況により一部を省略することがある。
(情報の伝達)
第4条 指令室は、災害活動に必要な情報を収集したときは、出動隊、署及びその他の関係機関へ当該情報を通知しなければならない。
(関係機関への要請連絡)
第5条 災害活動の実施に際し、関係機関へ緊急に出動を要請し又は連絡する必要がある場合においては、原則として指令室がこれを行う。
2 指令室は、消防機関の出動の対象とならない災害の通報を受理した場合、又は災害防除の要請等を受理した場合においては、直ちに対象となる関係機関へ連絡するものとする。
(無線移動局等の掌握)
第6条 指令室は、電波法(昭和25年5月法第131号)の規定に基づき各移動局等の運用統制を行う。
2 指令室は移動局の開局及び閉局を常時掌握し、無線業務日誌に記録し保存すること。
3 移動局は、災害活動等で常置場所を離れるときは開局し動態を指令室に送信するものとする。又、常置場所に復した場合はその旨を指令室に送信し、閉局するものとする。ただし、災害が発生し無線がふくそうしている場合は災害通信を優先する。
(無線連絡)
第7条 開局中の移動局は、指令室の呼出しに対して直ちに応じなければならない。また、移動局が指令室又は他の移動局へ送信したときも同様とする。ただし、単に送り込み送信を受信した場合は省略できるものとする。
2 災害活動中の移動局で指令室との直接交信が困難な場合には、中継する移動局(車載無線等)を指定、又は周波数を変更若しくは中継局を有効活用し、指令室との無線連絡体制を確保しなければならない。
3 指令室は、無線通信の円滑を期すため開局している移動局に対して、その通信内容の緊急度又は重要度により通話順位を決定し、かつ必要のあるときは通話を規制し、重要な通信に支障をきたさないよう統制するものとする。
(無線通話の基本)
第8条 無線による通話は、災害活動等及び特に急を要する業務上の連絡、並びに無線によらなければその目的を達することができない事項に限るものとし、簡潔明りょうに必要事項のみを通話するものとする。
2 至急通話は、普通通話中に割込んで行うことができる。
3 無線による通話は、他の無線局が通信していないことを確認した後に行い、自局の呼出名称を明らかにするものとする。
4 通話に使用する時刻は、指令台の基準時刻とし24間制で表現するものとする。
5 自局の呼出しが他局へ混信を与えるとの通知を受けたときは、直ちに呼出しを中止しなければならない。
6 通信内容がプライバシーの保護及び心情に対する配慮が必要と思われる場合は、無線略符号を用いるか若しくは携帯電話等を使用するものとする。
第3章 消防隊等の編成、出動
(分隊)
第9条 消防長又は消防署長は、消防自動車等1車両を単位として分隊を編成し、分隊長に消防士長以上の階級にある職員をあてる。
(救急隊)
第10条 消防長又は消防署長は、有田川町救急業務運用規程に基づき救急隊を編成するものとする。
(指揮隊)
第11条 災害の種別、規模等に応じて指揮隊を編成し、災害現場付近に指揮本部を開設するものとする。
2 指揮隊の指揮者は、消防司令以上の階級にある職員をもってあてる。
3 指揮本部を開設した場合は、その旨を出動隊及び指令室に通知するとともに、指揮本部旗を掲げてその位置を明示するものとする。
(支援隊)
第12条 消防長又は消防署長は、災害活動を安全かつ効率的に行う必要があると認める場合、支援隊を編成し災害活動の支援にあたらせることができる。
2 支援隊の隊長は、消防士長以上の階級にある職員をもってあてる。
(出動の基準)
第13条 出動隊等は別に定める出動基準に従い、指令室からの出動指令により行うものとする。ただし、署に直接通報があった場合、その他緊急又は特別の措置を要する場合はこの限りではない。
2 前項ただし書きの場合の出動は、直ちに指令室へ通知するものとする。
3 通常、出動隊の指揮者は警備班長(班長不在の場合は副班長)とする。ただし、指揮隊が編成される災害活動の場合は指揮隊指揮者とする。
4 消防隊等は、他の業務中であっても災害出動の指令を受けたときは優先して出動するものとする。
(出動時の注意)
第14条 指揮者及び分隊長は出動に際して隊員の乗車及び安全を確認するとともに、出動先を簡明に指示するものとする。
2 分隊長及び機関員は、災害現場へ安全かつ迅速に到着できる出動順路を選定するとともに、隊員の危害防止及び交通事故防止に注意をはらうものとする。
3 分隊長は、出動途上において事故等のため、現場到着が不可能又は著しく遅延する場合においては、直ちに指令室へその旨を報告するとともに適切な措置を講じるものとする。
4 分隊長は、出動途上においても災害状況の把握に努めるものとする。
(応援協定等による出動)
第15条 消防相互応援協定等が締結されているものについての出動は、別に定めるところによる。
(通信途絶時の出動特例)
第16条 地震又は風水害等のため通信が途絶し、出動指令の伝達が不能となったときは第13条の規定にかかわらず、所属長の判断により消防隊等を出動させ災害活動等を行うことができる。
第4章 現場要務
第1節 災害活動の一般的事項
(消防隊等の活用)
第17条 現場指揮者は、当該災害に即した消防隊等及び機械器具(以下「機器」という。)の能力が十分発揮できるよう努め、災害活動等の効果をあげるものとする。
2 出動隊は、統制のある行動を展開するため相互の連携を密接にするものとする。
(消防隊及び機器の増強要請)
第18条 現場指揮者は、災害活動等に際し消防隊等又は機器を増強する必要があると認められるときは、機を失することなくこれらの数、種別及び配置先を明確に指令室へ要請するものとする。
(消防警戒区域の設定)
第19条 消防法(昭和23年法律第186号)第28条に基づく消防警戒区域を設定する場合は、次の各号に定めるところによる。
(1) 区域の範囲は、災害の規模及び拡大危険に対応したものであること。
(2) 区域の設定は、速やかに着手すること。
(3) 区域の設定に従事する隊員は、消防団員等を掌握して作業に従事させるとともに、当該法令の規定によるほか、警戒区域内の雑踏整理、災害活動上支障となるものの排除、避難誘導等必要と認められる作業を行うものとする。
(火災警戒区域の設定)
第20条 現場指揮者は、消防法第23条の2に基づく火災警戒区域を設定する場合は、関係機関と連携し、前条に定めるもののほか、住民等に対する避難及び火気使用の禁止等に関する広報その他の必要な措置を講じるものとする。
(二次災害等の防止)
第21条 現場指揮者は、災害活動の実施にあたって二次災害又は被害拡大のおそれがあると認めるときは、必要な排除措置を講じるものとする。
2 現場指揮者は、消防法第29条に基づき建物その他物件の破壊等緊急措置を講じるときは、必要最小限に止めるものとする。
(災害現場の安全管理)
第22条 災害現場の安全管理については次の各号に定めるところによる。
(1) 災害活動を行う者は常に自ら安全に配慮し、危害防止に努めなければならない。
(2) 現場指揮者は、隊員を特に危険な活動に従事させるときは、安全管理上必要な指示をあたえるとともに、援護の態勢をとるものとする。
(3) 現場指揮者は、隊員に対して災害活動の種別とその任務遂行に適応した器具を着装若しくは携行させるとともに、特に濃煙又は有毒ガスの充満している現場へ進入若しくは付近での活動に際しては、空気呼吸器の着装等、呼吸保護の措置を講じさせるものとする。
(現場交替)
第23条 現場指揮者は、災害活動が長時間にわたり、現場交替の必要があると認めるときは、その措置をとるものとする。
(災害活動の中断)
第24条 現場指揮者は、災害の状況、災害活動に係る環境の悪化、天候の変化等から判断して、災害防ぎょ活動等を継続することが著しく困難であると予測される場合、又は隊員の安全確保を図るうえで著しく危険であると予測される場合においては、防ぎょ活動を中断することができる。
(情報の収集と交換)
第25条 現場指揮者及び指令室は、次の各号に掲げる情報収集に努めるとともに、必要に応じて現に災害現場に出動している関係機関又は消防対象物の関係者等と連絡を密にし、収集した情報を有効活用するため密接な情報交換を行い、当該災害活動等の効果をあげるように努めるものとする。
(1) 通報の状況及び災害発生対象物の状況
(2) 要救助者、死傷者等の状況
(3) 現場活動の障害となる施設及び物品等の有無
(4) その他現場活動及び原因調査のための必要事項
(現場広報)
第26条 現場指揮者は必要に応じて次の各号に定めるところにより、災害現場における広報を実施するものとする。
(1) 現場広報は、災害活動の支障とならない範囲において実施するものとする。
(2) 広報にあたっては関係者のプライバシーに係る事項を除くとともに、事実のみを発表するものとする。
(本部広報)
第27条 指令室又は別に指定する広報担当課は、報道機関等からの問い合わせに対して広報を実施するものとする。
2 広報を実施する場合は、前条第2号を遵守するとともに事前にその内容を統一しておくものとする。
(現場引揚げ)
第28条 現場指揮者は、災害活動等の必要がなくなったと認めた場合は、消防隊等に引揚げを指示するものとする。
2 分隊長は、引揚げに際して人員及び機器の点検を実施するとともに、現場指揮者に対して次の各号に掲げる事項を報告するものとする。
(1) 隊員等の異常の有無
(2) 車両、資機材等の異状の有無
(3) 活動中の特異な事案
(4) 災害現場周辺の状況
(引揚げ後の措置)
第29条 分隊長は、帰署後直ちに人員及び機器の再点検を実施し、事故の有無を確かめるとともに速やかに出動態勢を整えなければならない。
第2節 火災防ぎょ
(消防隊の配置)
第30条 第1出動の消防隊は、努めて火点包囲体形を構成するよう配慮するものとする。ただし、地勢、道路及び水利等の各種事象により包囲体形がとれない場合、又は防ぎょ効果が期待できない場合はこの限りでない。
2 第2出動以降の出動隊は、延焼拡大面、重要面及び消防隊が手薄な面等へ部署するものとする。
(水利選定)
第31条 第1出動消防隊は、前条に基づいて、火点直近で有効放水のできる水利を選定し部署するものとする。
2 第2出動隊は、大量放水の必要がある場合又は先着車両の水量不足の場合に備え、現に水利部署している消防隊に影響を及ぼさないよう水利部署するものとする。ただし、これらが必要でない場合は先着隊の防ぎょ活動に加勢するものとする。
3 現場指揮者は、必要と認める場合は速やかに水利統制及び増水手配等を行うものとする。
(筒先の配列)
第32条 建物火災における筒先の配列は、特別な理由がある場合を除き、1線2口放水を原則とする。
2 現場指揮者は、筒先の配列を延焼危険に応じて適切に行い、特に重要な延焼面への配列を欠いてはならない。
(状況判断)
第33条 現場指揮者は、現場到着と同時に速やかに火点周囲を一巡するとともに、分隊長等からの報告、その他各種情報等に基づき全体の状況を把握し、的確な判断を下して消防隊等を運用しなければならない。
2 分隊長は、防ぎょ担当面の火災状況を把握し、的確な判断を下して防ぎょ効果をあげなければならない。
3 現場指揮者は、火災の態様により災害活動が必要でないと判断される隊については、現に災害活動中の消防隊等の支援にあたらせるものとする。
(注水部署)
第34条 隊員は、安全かつ火勢鎮圧又は延焼阻止上効果的な場所を選定して部署し注水するものとし、火災の推移に伴い、注水部署が危険又は効果的でないと判断される場合は、速やかに安全かつ防ぎょ効果のある場所へ移動するものとする。
(水損防止)
第35条 現場指揮者は、火勢鎮圧の推移に伴い、放水圧力の低下、注水の中断、中止等により不必要な注水を避け、防水シート等を活用し水損防止に努めるものとする。
(排煙等の措置)
第36条 現場指揮者は、濃煙、高熱の充満する現場においては、排煙、換気及び送風等の措置を講じ、防ぎょ効果をあげるよう努めるものとする。
(飛火警戒)
第37条 現場指揮者は、飛火警戒の必要があると認めるときは、消防隊又は消防団を飛火危険方面へ配置するものとする。
2 飛火警戒隊は、警戒範囲内の住民に対し飛火警戒上の広報を実施し、又は緊急に必要があるときは消防法第29条第5項に基づき消防作業に従事させ、飛火による二次火災の発生を防止するものとする。
(鎮圧、鎮火)
第38条 現場指揮者は、火災が鎮圧又は鎮火したときは指揮本部若しくは指令室に通知するとともに、必要に応じ消防隊の規模を縮小するものとする。
(再燃防止)
第39条 現場指揮者は、鎮火状況を十分確認するとともに、再燃防止のため消防団員及び関係者に現場監視を依頼するものとする。又必要な場合は、消防隊のうちから警戒隊を編成し配置するものとする。
(車両火災)
第40条 車両火災の防ぎょは、次の各号に定めるところによる。
(1) 現場指揮者は、当該車両の火災特性、火災発生場所及び交通状況等を把握しその状況に適応した防ぎょ活動を行うものとする。
(2) 現場指揮者は、風上からの薬剤又は注水消火のうち、効果的な手段をとるものとする。
(3) 現場指揮者は、付近建物等への延焼及び他の交通等に十分留意するものとする。特に軌道敷内及び高速道路等自動車専用道路での活動については早期に関係機関に連絡するとともに、現場においても関係機関と連絡を密にするものとする。
第3節 救急活動
(救急活動の原則)
第41条 救急活動は、傷病者の観察及び応急処置を行い、症状に応じて医療機関、その他医療を行うことができる場所に安全かつ適切に搬送しなければならない。
2 救急活動に関し、この訓令に定めるもののほか、救急業務運用規程に定めるところによる。
第4節 救助活動
(救助活動の原則)
第42条 現場指揮者は、救助を要する者の存在確認又は予測される場合は、消防活動等に優先して速やかに救助活動を実施させるとともに必要な手配を行うものとする。
2 救助活動は、活動環境に因る危険の排除に努めるとともに、隊員の安全確保を最優先に次の事項に配慮して活動するものとする。
(1) 救急隊、消防隊等との連携
(2) 救助器具の適切な操作
(3) 現場調達資機材等の活用
(4) 危険防止
(5) 他機関との連携
(救出要領)
第43条 救出要領は、次の各号に定めるところにより行うものとする。
(1) 救出に際しては、要救助者の人数、位置、状態及び緊急度等を総合的に判断し、救出効果の大なる順に救出するよう努めるものとする。
(2) 救出に際しては救助用機器のほか地形、地物、建物及び設備等も状況に応じ活用するものとする。
(3) 二次災害の防止に努めるものとする。
(死者の取扱い)
第44条 救助活動に従事する者は、死者を取扱う場合には礼を失しないよう配慮するものとする。
(避難誘導の要領)
第45条 避難者の誘導は、次の各号に定めるところにより行うものとする。
(1) 誘導に際しては、混乱の防止、危険箇所等を住民に伝達し、必要な場合は誘導員の配置を実施する。
(2) 避難者に対しては避難方向、避難先及び避難経路等を明確に知らせるものとする。
(3) 夜間においては、照明器具を効果的に使用するものとする。
(4) 老幼者、病人、身体障害者、妊産婦及びこれらの人に必要な介助者を優先して誘導するものとする。
第5節 水防活動
(水防活動の原則)
第46条 水防活動は、有田川町地域防災計画及び水防計画に定められた計画により実施する。
第6節 震災等、その他の災害活動
(大規模災害の活動)
第47条 震災等多数の傷病者が発生し、又は発生するおそれがある大規模災害時の活動に関しては別に定めるところによるものとする。
(活動の実施)
第48条 火災防ぎょ、救急業務及び救助活動の対象となる災害以外の災害に対する活動(以下「その他災害活動」という。)は、消防の目的に適合するもの及び密接な関連のあるものについて行うことを原則とする。ただし、消防長が必要と認めた場合はこの限りでない。
第5章 災害報告
(報告の要領)
第49条 災害に関する報告は、この章に定めるところによるほか、「火災報告取扱要領」、「救急事故等報告要領」、「救急業務運用規程」、「火災調査規程」等に定めるところによる。
(1) 出動報告 災害に関し消防隊等が出動した場合に、出動した旨を直ちに指令室へ行う報告をいう。
(2) 即時報告 消防隊等が出動した場合において、その活動が終了した後、概要を直ちに指令室へ行う報告をいう。
(3) 災害報告 一定の規模以上の災害の場合に、当該災害及び災害活動に関する事項について消防長に行う報告をいう。
(災害活動検討会)
第50条 消防長は、指揮者及び分隊長の指揮能力、隊員の技能等の総合的な警防活動を向上させ、あわせて将来の施策に活用するため、必要と認めるときは検討会を開くものとする。
2 消防署長は、前項に準じ必要と認めた場合は災害検討会を実施し、必要と思われる事項については、その結果を消防長に報告するものとする。
第6章 警防調査
(警防計画の作成)
第51条 消防署長は、地域の特性、建物の構造、用途又は危険物施設等で火災等が発生した場合、災害が広範囲に及ぶ恐れがあるもの、又は災害様相が特異で防ぎょが困難と予想される対象物及び施設について、必要に応じ現地調査を実施し、警防計画を作成するものとする。
(1) 火災危険地区警防計画(住宅密集地、消火困難地域)
(2) 中高層建築物警防計画(3階以上)
(3) 病院、社会福祉施設等警防計画
(4) トンネル内警防計画
(5) 高速自動車道及び自動車専用道路警防計画
(6) 危険物施設警防計画
(7) 大規模防火対象物警防計画
(8) 前各号に掲げる事項のほか必要と認めるもの
3 警防計画には、警防に関する地図、防ぎょ計画図その他必要な資料を添付するものとする。
(事前命令)
第52条 消防長又は消防署長は、災害活動を円滑に行うために警防計画にかかる特に重要な事項については予め消防隊等に周知徹底を図るものとする。
第7章 訓練
(訓練種別)
第53条 消防長及び消防署長は、災害活動を円滑に行うため、基本訓練、図上訓練及び実地訓練を実施するものとする。
(1) 基本訓練は、おおむね次の各号に掲げる事項について実施するものとする。
① 隊員個々の基本動作
② 分隊及び分隊連携による消防ポンプ運用、ホース延長、筒先移動、中継、人命救助及び救急訓練
③ 各種機器の操作及び運用訓練
(2) 図上訓練は、火災等災害の防ぎょ方法及び救急、救助活動の方法等を図上で訓練するものをいう。
(3) 実地訓練は、基本訓練及び図上訓練の成果を確認し、警防技術及び消防部隊等運用技術の向上を図るため災害想定を設定し、次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める訓練を計画的に実施するものとする。
① 単独訓練
基本訓練及び図上訓練により習熟した技術を効果的に発揮し、総合的な警防技術の向上を図るために所属単位で行うもの
② 合同訓練
消防対象物等の関係者と消防機関、署間又は他の機関と合同で行うもの
2 消防署長等は、合同訓練を実施する場合は、その内容等を実施日の7日前までに消防長へ報告するものとする。
(訓練結果報告)
第54条 消防署長は、各種訓練の実施結果を翌月10日までに消防長に報告するものとする。
第8章 非常召集
(非常召集の発令及び基準)
第55条 消防長、次長又は署長は、災害の警備を行うにあたって必要があると認めるときは、職員の非常召集を行うものとする。又、その必要がなくなったときはこれを解除するものとする。
2 非常召集の種別及び基準等は、別に定めるところによる。
(職員の覚知義務及び自発的参集)
第56条 職員は次の各号のいずれかに該当するときは、常に非常召集に応じられる態勢を整え、テレビ等により気象情報、災害発生が予想される状況等を積極的に収集し、非常召集の発令の有無等を確かめるとともに、発令前であっても発令の可能性が十分にあることを察知したときは、自発的に参集しなければならない。
(1) 気象警報又は大雨若しくは強風等の注意報(高潮、波浪を除く。)が和歌山県紀中に発令され、災害の発生が予測されるとき。
(2) 周辺地域で相当量の降雨があり、河川の増水等により災害の発生が予測されるとき。
(3) 管内において震度5弱以上の地震が発生したとき。
(適用除外職員)
第57条 非常召集は次の各号に掲げる職員には適用しない。
(1) 休職中又は停職中の職員
(2) 職務又は業務若しくは研修のため管外に出張、出向中の職員(有田郡市内を除く。)
(3) 傷病等により療養中の職員
(4) 遠距離旅行中の職員
(5) 前各号のほかやむを得ない用務又は事故等により応召困難な職員
第9章 非常警備
(非常警備の発令)
第58条 消防長又は次長は、異常気象等で特別な警備の必要があると認める場合は、警戒態勢を発令し災害活動等を実施するため必要な消防隊等に非常警備を発令するものとする。
2 警戒態勢の発令基準は別に定める。
3 警戒態勢が発令された場合は、次の各号の定めるところにより非常警備時の措置を実施するものとする。
(1) 非常召集により参集した所属職員を直ちに部隊編成するものとする。
(2) 指令室勤務を担当する職員を増強し、通報の受理を迅速確実にするものとする。
(3) 町関係課との連絡態勢を強化するため、必要に応じ職員を派遣するものとする。
(4) 機器及び資機材の点検整備をするものとする。
(5) 非常災害が発生するおそれが大であると思われる地域又は対象物が判明した場合は、警備のための消防隊等を当該地域又は対象物へ出動させ、情報の収集、災害の未然防止に関する措置、広報及び非常警戒等を行わせるものとする。
(通信途絶時の連絡)
第59条 通信が途絶した場合には消防無線、町防災行政無線等あらゆる方法により連絡を保持することに努めるものとする。
第10章 その他の警防業務
(火災警報の発令等)
第60条 町長は、有田川町火災予防規則第29条に該当し、かつ、火災警報を出す必要があると認めた場合は、消防法第22条第3項に基づき火災に関する警報(以下「火災警報」という。)を発令し、その必要がなくなった場合は解除するものとする。
2 消防長は、気象状況が火災警報の発令条件に近く、かつ、住民に対し火災に関する注意をうながす必要があると認めた場合は、関係機関と協議し火災予防に関する広報を実施するものとする。
3 消防長は、火災警報が発令された場合は、次の各号に掲げる事項を実施するものとする。
(1) 電光掲示板及び各署での掲示板による掲示
(2) 管轄区域内の巡回及び広報
(3) 有田川町火災予防条例第29条の規定に基づき火気使用制限の指導
(4) 各種機器の点検整備
(5) 所属職員への勤務に関する必要な指示
(6) 非番職員への周知及び所在確認
(7) その他火災の警戒に関する必要な事項
(警防態勢の強化)
第61条 消防長は、火災警報が発令され、消防部隊を増強する必要があると認めた場合は、非常召集を実施し必要な警防態勢を整えるものとする。
2 消防長は、休日及び毎日勤務者の勤務を要しない日又は17時30分から翌8時30分までの間に火災警報を発令した場合は、署長、副署長及び消防本部の課長、課長補佐及び各課長が指定する職員を非常召集し、警防及び予防態勢を強化するものとする。
附則
(施行期日)
この訓令は、平成19年11月1日から施行する。