○有田川町消防本部通信指令業務規程
平成26年4月1日
消防本部訓令第1号
第1章 総則
(目的)
第1条 この訓令は、有田川町消防本部警防規程(平成19年有田川町消防本部訓令第6号)第2章通信運用に規定するもののほか、通信指令業務について、各機器の機能を十分に発揮して消防隊等の統制運用を図り、火災、救急、救助事故その他の災害(以下「災害等」という。)に対処するため、消防通信の運用及び施設の管理等に関し必要な事項を定め、もって消防業務を迅速かつ的確に処理することを目的とする。
(1) 通信指令業務
災害等の防御活動の効率的な実施のために、消防隊、消防車両、救急業務情報及び消防通信等の管理統制を行う業務をいう。
(2) 通信指令室
通信指令業務を行うために消防本部に設けられた人員及び施設の一体をいう。
(3) 通信指令員
通信指令課の職員及び通信指令業務に従事する職員をいう。
(4) 高機能消防指令システム (以下「指令システム」という。)
119番通報の入電、その他の災害の入電から指令、事案終了までを管理するシステムをいう。
(5) 車両動態位置管理装置 (以下「AVM」という。)
車両状況及び車両位置情報を車両に設置した端末装置及び指令システムから入力することで、車両の動態及び消防隊等の活動状況を管理する装置をいう。
(6) 消防通信(災害通信)
災害防御活動その他の消防業務上必要な通信で、次に掲げるものをいう。
ア 災害通報
災害等が発生し、若しくは発生するおそれがある場合又は、傷病者を医療機関その他の場所へ緊急に搬送する必要がある場合に、即時に当該災害等について消防機関へ報知される通信をいう。
イ 予告指令、出動指令
通信指令室から災害防御活動その他消防隊の運用に関する指示命令を発する通信をいう。
ウ 通知
災害等に関する事項、災害防御活動に関する事項その他消防業務上必要な事項について通信指令室と署所又は関係機関との間で行う通信をいう。
エ 災害急報
特異事態の発生、複数の消防隊等の出動等で関係機関との間で行う通信をいう。
オ 災害情報通信
災害防御活動において行う情報の連絡、活動の指示又は災害等の状況についての報告を行う通信その他活動上必要な通信をいう。
カ 普通通信
災害通信以外の通信で、消防業務の連絡、試験通信及び訓練に関する通信をいう。
(責務)
第3条 通信指令員は、法令を遵守し、管内の地理、交通状況の熟知に努め、指令システム及び無線設備の機能を十分に活用し、災害事案の対応に努めなければならない。
(災害事案等の運用管理)
第4条 通信指令員は、災害防御活動を実施する消防隊の事案の管理及び災害防御活動上必要な指示、助言、警防情報、救急情報の収集及び通知、その他の災害事案の運用管理を行うものとする。
2 救急活動に関する情報の通知及び関係機関への連絡は、有田川町消防本部救急業務規程(平成18年有田川町消防本部訓令第11号)に定めるところによる。
(通信指令員の遵守事項)
第5条 通信指令員は、システムの機能に精通し、常に冷静な判断及び的確な操作ができるよう努めるとともに、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) システムの各機器を消防業務以外に使用してはならない。
(2) 業務中に知り得た情報及び秘密を漏らしてはならない。
(3) 消防通信は、別に定める要領のほか簡潔明瞭を旨とする。
(4) 消防通信内容に自己判断による注釈を加え、又はその内容を独断で処理してはならない。
(時刻の表示)
第6条 消防通信に使用する時刻は、24時間制で表現するものとする。
(優先順位)
第7条 消防通信の優先順位は、災害等及び災害防御活動に係る緊急かつ重要な通信を優先とし、原則として次の各号に掲げる順序によるものとする。
(1) 災害通報
(2) 予告指令、出動指令
(3) 災害急報
(4) 災害情報通信
(5) 前各号に掲げる以外の通信
第2章 通報の受理及び指令
(通信指令室の任務)
第8条 通信指令室は、災害等の状況を迅速かつ的確に掌握するとともに、効率的な通信指令業務を実施することにより、災害活動等の効果をあげるものとする。
(通報の受理等)
第9条 通信指令員は、次に掲げるところにより、通報の受理その他の通信指令業務を行うものとする。
(1) 通報に接した時は他に優先して受理し、災害の発生場所、対象名、災害の状況その他必要な事項を確認するよう努めること。
(2) 通報受理した場合で人命に関し緊急に措置が必要と認めるときは、通報者への口頭指導に努めるものとする。
(3) 各署において災害等を覚知し、又は通報を受理したときは、直ちに通信指令室へ通報すること。
(4) 本町以外に係る災害通報を受理したときは、直ちに当該地域を管轄する消防本部に転送又は通報すること。
(5) 消防通報用電話により通報を受理した場合は、直ちに災害発生場所を確認し、消防隊等を出動させること。
(6) 消防通報用電話で通話が途切れた場合又は通報内容が不明確な場合等は、着信回線の呼び返し操作又は確認の電話等を行い災害に対応すること。
(1) 予告指令
通報を受理した時は、当該災害に出動することが予測される各署に対して通報を受理中である旨を速やかに通知するものとする。ただし、状況により省略することができる。
(2) 出動指令
通報の受理により災害発生が確定した時は、消防隊等を災害現場へ出動するよう指令すること。この場合において、災害場所(目標物を含む)、出動隊(出動車両)、災害の種別等必要な事項を明らかにしなければならない。ただし、状況により一部を省略できる。
2 出動指令は有線又は無線による音声指令を2回行い、併せて指令書を送信することにより行う。ただし、音声指令と指令書の内容が異なる場合は、音声指令によるものとする。
(指令選択)
第11条 出動指令は、適切な災害種別及び出動区分を選択し、又は現場指揮者からの要請により、続発災害等の警備に配慮しながら適切な消防隊等を選択し、行うものとする。
2 出動指令は、別に定める出動基準により出動隊(出動車両)を指定して行うものとする。ただし、各署の警備班の状況により変更する場合はある。
(消防隊等の動態の掌握)
第12条 通信指令室は、消防隊等の編成及び災害防御活動の実施に際し、出動の可否その他必要な車両等の状況を常に把握しておかなければならない。
2 消防隊の小隊長は、車両等の動態状況に変更がある場合は、署所の端末装置、AVM又は無線等により通信指令室に通知しなければならない。
3 AVMの運用方法等は別途要領で定める。
(端末装置の取り扱い)
第13条 各署の職員は、指令システムの端末装置等により、指令内容の確認等を行わなければならない。
2 指令内容が不明な場合は、受信終了後に通信指令室と交信し、確認を行うこと。
第3章 消防無線
(無線局の区分)
第14条 通信系統、無線局の呼出名称は、別途要領で定める。
(無線局の運用の原則)
第15条 無線局の運用は、電波法(昭和25年法律第131号)その他の関係法令によるほか、次に掲げるところにより行うものとする。
(1) 無線局は、消防通信の目的又は通信の相手若しくは通信範囲を超えて運用してはならない。
(2) 無線局は、常に最良の状態に調整し、他局が交信中で無いことを確かめてから通信しなければならない。
(無線局の掌握、開局、閉局及び維持)
第16条 固定局及び基地局は常時、開局しておくものとする。
2 移動局の開局は、次の各号に掲げる場合に行うものとする。
(1) 災害防御活動その他の消防業務等で常置場所を離れる場合
(2) 通信指令室から指示又は承認を受けた場合
(3) 有線通信施設による通信が不通となった場合、又は不通となるおそれのある場合
3 移動局の閉局は、常置場所に帰署した場合、通信指令室から承認を受けた場合とする。
4 移動局が開局、閉局した場合は通信指令室に通知しなければならない。
5 開局した無線局は、常時、通信担当者を配置し、通信体制を維持すること。
6 開局中は呼び出しに対し直ちに応じること。
7 前各項の規定するものの他、通信要領及び通話の基本は別途要領で定める。
(情報の伝達)
第17条 災害現場に最先着した移動局等は災害の状況、活動上重要な事象を覚知した時は速やかに通信指令室に報告すること。
2 通信指令室は活動に係る支援情報を災害現場移動局に通知しなければならない。
(各機器の機能試験)
第18条 指令システム及び無線通信の機能試験(通話試験等を含む。)は、定期的に実施し関係日誌等に記載しなければならない。
第19条 この訓令の施行に関し必要な事項は、要領で定める。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、平成26年4月1日から施行する。