○有田川町文化財保護条例
平成18年1月1日
条例第100号
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、有田川町(以下「町」という。)の区域内に存する文化財のうち重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化的向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で町にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)
(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で町にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で町民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)
(4) 古墳、城跡(塞)、旧宅その他の遺跡で町にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、峡谷、山岳その他のもので町にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象を生じている土地を含む。)で町にとって学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)
(届出)
第3条 町で価値の高い文化財を発見したときは、速やかに有田川町教育委員会(以下「教育委員会」という。)に届け出なければならない。
(指定等)
第4条 教育委員会は、第2条各号に掲げるもののうち、町にとって特に重要と認めるものを有田川町指定文化財(以下「指定文化財」という。)として指定することができる。
(1) 有形文化財、有形の民俗文化財及び記念物については、所有者及び権原に基づく占有者がある場合はその占有者(以下「所有者等」という。)
(2) 無形文化財及び無形の民俗文化財については、それを保持する者(以下「保持者」という。)又はそれを保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるもの(以下「保持団体」という。)
3 教育委員会は、第1項の規定による指定をするに当たっては、当該無形の文化財の保持者又は保持団体を認定しなければならない。
4 教育委員会は、第1項の規定による指定をするときは、あらかじめ別に定める有田川町文化財保護審議会に諮問しなければならない。
5 教育委員会は、指定及び認定をしたときは、その旨を告示し、所有者等又は保持者及び保持団体に通知するとともに、別に定めるところにより、指定書又は認定書及び標示立札を交付しなければならない。
6 指定は、告示があった日からその効力を生ずる。
(解除)
第5条 教育委員会は、次の各号のいずれかに該当する場合は、指定文化財の指定を解除することができる。
(1) 指定文化財が滅失したとき。
(2) 指定文化財が著しくその価値を失ったとき。
(3) 指定文化財が町の区域外に移ったとき。
(4) 指定文化財が、法第27条、第71条、第78条及び第109条の指定を受けたとき、又は和歌山県文化財保護条例(昭和31年和歌山県条例第40号)第3条の指定を受けたとき。
(5) 前各号に掲げるもののほか、教育委員会において適当と認める理由があるとき。
2 教育委員会は、無形の文化財について、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認める場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の理由があるときは、保持者又は保持団体の認定を解除することができる。
3 無形の文化財について、保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したときは、当該保持者又は保持団体の認定は、解除されたものとする。
(所有者等の管理義務及び管理責任者)
第6条 指定文化財の所有者等は、この条例及びこれに基づいて発する教育委員会の指示に従い、文化財を管理しなければならない。
2 指定文化財の所有者等は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり文化財の管理の責めに任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者等は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も、同様とする。
(所有者等の変更)
第7条 指定文化財の所有者等が変更したときは、旧所有者等及び新所有者等は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 指定文化財の所有者等又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損等)
第8条 指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを忘失し、若しくは盗み取られたときは、所有者等(管理責任者)は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第9条 指定文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者等(管理責任者)は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(経費の負担)
第10条 指定文化財の管理、修理又は復旧に要する経費は、所有者等又は保持者の負担とする。ただし、保存修理又は復旧のために、所有者等又は保持者がその全額を負担するに堪えない場合その他特別の事情がある場合には、町は、所有者等又は保持者に対し、予算の範囲内でその経費の一部を負担することがある。
2 前項ただし書により町が経費を負担する場合には、教育委員会は、その条件として管理等に関し、あらかじめ所有者等又は保持者に対し必要な事項を指示するとともに、これを指揮監督することができる。
(1) この条例並びにこれに基づいて発する教育委員会規則及び教育委員会の指示に違反したとき。
(2) 経費負担の条件に違反したとき。
(3) 詐欺その他不正の方法により経費の交付を受けたとき。
(管理等に関する勧告)
第11条 指定文化財の管理が適当でないため滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者等又は管理責任者に対し、管理方法の改善保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 指定文化財がき損している場合、その保存のため必要があると認められるときは、教育委員会は、所有者等に対しその修理について必要な勧告をすることができる。
3 前2項の規定による勧告に基づいて行う措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を町が負担することができる。
(現状変更の制限)
第12条 指定文化財の現状を変更しようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。
2 文化財保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し、技術的な指導と助言を与えることができる。
(公開)
第14条 教育委員会は、指定文化財の所有者等又は保持者に対して、その指定文化財の公開又は出品を勧告することができる。
(調査)
第15条 教育委員会は、必要があると認めるときは、指定文化財の所有者等又は管理責任者に対し、文化財の現状又は管理若しくは修理の状況について報告を求めることができる。
(所有者等変更に伴う権利義務の承継)
第16条 指定文化財の所有者等(管理責任者)が変更したときは、新所有者等は、指定文化財に関し、この条例に基づいて行う教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者等の権利義務を承継する。
2 前項の場合には、旧所有者等は、指定文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者等に引き渡さなければならない。
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年1月1日から施行する。